今回はマイニングの際RTX3080でハッシュレートがオーバークロックしても90MH/位しか出ない場合の対策方法を紹介します。
RTX3080のハッシュレートが出ない原因
最初に結論だけ言いますが原因は熱です。
と言ってもGPUの温度ではありません。VRAMの熱の問題です。
RTX3080や3090はGDDR6Xという新しい規格になりました。
従来の製品よりかなりスペックが向上しましたがVRAMの温度が非常に高くなりました。
ファンを100%で回していてもRTX3080自体は50℃を保っていますが、VRAMの温度が100℃近くになっています。
そして熱によりサーマルスロットリングが機能し性能が低下します。
はてな
CPU のサーマルスロットリングとは、CPU の温度が上昇しすぎた場合にクロック周波数を落として温度を下げる機能です。
サーマルスロットリングがないと CPU の温度は異常に達し、パソコンは自動的に電源が切れますが、サーマルスロットリングによりパソコンは動作し続けることができます。
サーマルスロットリングが機能しても温度が異常となってしまう場合は、パソコンは自動的に電源が切れます。
サーマルスロットリングが機能するということは、CPU は本来の性能を発揮できなくなるということです。
もし CPU に高い負荷をかけてサーマルスロットリングにより性能を低下させたくない場合は、サーマルスロットリングが起きないように冷却性能を見直す必要があります。
CPU はクロック周波数が高くなるほど発熱量が大きくなり温度が上昇しますが、十分な冷却が行われているならサーマルスロットリングは機能しません。
CPU の冷却性能が十分ではないと、サーマルスロットリングが機能することがあります。
対策するには?
サーマルスロットリングが機能しないようにすれば性能をすべて出すことが出来るということです。
そのためにはVRAMを100℃以下に冷却する必要があります。
冷却するには以下のような方法があります。
部屋自体を冷却する
部屋自体を大型のエアコンで冷却しGPUなどの温度も下げるという手段です。
ですが大型の設備が必要になるので今回は却下。
水冷にする
冷却効率の良い水冷クーラーを採用して冷却するという手段です。
マイニングリグに本格水冷は水漏れやコストの観点から却下。
スポットクーラーで冷却する
スポットクーラーでRTX3080を直接冷やすという手段です。
RTX3080をフルで動かす為だけに部屋の温度を犠牲にするのは(略
却下。
VRAMのサーマルパッドを熱伝導率の良いものに変える。
VRAMを冷却するためにサーマルパッドが使用されているのですがそれを熱伝導率の良い製品に変えるという手段です。
RTX3080のサポートは切れてしまいますがこの方法が一番安上がりで効果が出そうです。
バックプレートにヒートシンクを貼る
グラフィックボードのバックプレートにヒートシンクを貼り、排熱の効率を上げる手段です。
しかし今回はバックプレートを触ってみてもあまり熱くなかったので今回は却下。
実践してみる
今回使用したグラフィックボードはMSI GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10Gです。
使用したサーマルパッドはフォロワー様に教えていただいた以下の商品です。
使用したのは1.5mmタイプ、厚さが足りなかった場合に2mmタイプも同時に購入しておいた。
結果的には1.5mmで問題ありませんでした。
作業開始
それではさっそく作業開始していきます。
バックプレートのねじを外します。
ねじを外すとバックプレートが取れますがここで問題発生。
最初から付いているサーマルパッドがしっかりと貼り付けられていない不良品でした・・・
折れ曲がってバックプレートに挟まれてた跡までついてる・・・
画像の4つのねじを外します。
というかサーマルパッド微妙にオイルブリードしてるよね?
画像のコネクタを4つ外します。
赤丸のサーマルパッドを新しいサーマルパッドに交換します。
同じ大きさに切って置き換えればOKです。(GPUコアの周りにある油がにじんでるチップがVRAMなのでそこに乗せるように置けばOK)
というかやっぱオイルブリードしてるじゃん…まだ使用して3日も動かしてないものです・・・
後は逆の手順で戻せばOKです。(私はこの後グリス塗り直しと清掃だけしました…)
交換結果
交換した結果、VRAMの温度は100℃に張り付いていたのが80℃台に落ち着きました。
ハッシュレートも90MH/sが限界でしたが100MH/sを安定して出せるようになりました。
現在3日ほど動かしていますが不具合などは見られず安定して動いています。