イーサリアムとは現在ビットコインに次いで時価総額の大きなアルトコインです。
イーサリアム上のプラットフォームを活用して多くのDapps(分散型アプリケーション)が開発され、既存のルールに縛られない自由なマーケットが確立されつつあります。今回はこれらの分散型システムの概要や、成り立ちなど分かりやすく解説していきます。
イーサリアムとは?
イーサリアムはビットコインの根本的な仕組みである、決済、送金システムに加えて様々な用途で使用できるように開発を加えたプラットフォームの名称です。
世界中の開発者がイーサリアム・プロジェクトの中でDappsやトークンを、切磋琢磨しながら開発しているため、進歩のスピードは目まぐるしく変化し続けているのが特徴。
イーサリアム(ETH)の基本スペック表 | |
---|---|
通貨単位 | ETH |
時価総額ランキング | 2位 |
発行開始日 | 2014年7月 |
発行上限枚数 | 上限なし |
コンセンサスアルゴリズム | PoW→PoS(2022年度中完全移行) |
イーサリアが実現した最も革新的な機能はスマートコントラクトと呼ばれる「取引の自動執行」です。ブロックチェーン上に自動執行のプログラムを書き込むことで、永続的にトランザクション処理を実行してくれ、
作業コストの効率化など様々なビジネスシーンへの対応が期待されています。
スマートコントラクトを組み込むメリットは以下の通り。
- 透明性の向上
- トランザクションコストの削減
- デジタル化対応への柔軟性
- 様々な業界へ適応することが可能
ETHはあくまでもスマートコントラクトのプログラムを動かすためのガス代(手数料)として使用されることが目的なので、単なるデジタル通貨や資産ではなく
既存のインターネットに繋がるものであれば全てディスラプト(破壊的イノベーション)することができるネットワークプラットフォームという考え方がしっくりくるでしょう。
今話題のNFTもイーサリアムベースのプラットフォームで動いているいるものが多い印象ですし、それ以外にDEFI(分散型金融機関)や
DAO(自立分散型組織)など新しい概念やビジネスモデルを産み出し続けているのも評価される点でしょう。
価格推移に関しても2016年のICO以降安定して伸びています。
今後はイーサリアム2.0に向けてのアップデート次第でこれ以上に大きく価格を伸ばすことになるのではないでしょうか。
イーサリアムの歴史
イーサリアムは2013年にホワイトペーパーがリリースされ、その翌年2014年にICOが完了。
現在では時価総額40兆円を超え(2021年9月18日時点)ビットコインに次ぐ圧倒的流通量を誇る通貨に成長しています。
開発者はヴィタリック・ブテリン。
彼が19歳のときに考案したP2Pネットワークの仕組みが現在のイーサリアムのベースになっています。
イーサリアムの分岐点になったのはICOから2年後の2016年6月に起こった「DAO事件」です。
イーサリアムから派生したThe DAOを経由してイーサリアムネットワークへのハッキングが発生、360万ETH(当時で約65億)が流出することになりました。
流出したETHの使用を制限するために新ルールに沿ってブロックを作っていく「ハードフォーク」を実行することで、盗難されたETHの悪用を防いだ代わりに
新旧2本のチェーンに分岐することになってしまいました。別れたそれまでのルールで運用されていた方は「イーサリアムクラシック」と名前を変えることになり、現在でもその運用は続いています。
イーサリアムのメリット
イーサリアムの主なメリットは以下の通りです。
- トークンエコノミーの創出
これまでは新しいトークンを発行する際に独自のブロックチェーン上で発行し、ユーザーを集める必要がありましたが、イーサリアムのプラットフォーム上で独自の規格「ERC20」に沿ってトークン設計を簡易的に行える仕組みを作ることで、
爆発的にトークンプロジェクトが飛躍することになりました。 - Dappsの開発を行うことができる
イーサリアムは単なる通貨としての機能だけでなく、アプリケーションの構築をワンストップで行えるプラットフォームとしての役割も持っています。
現在、ゲーム業界を中心にDappsゲームが世界中で遊ばれておりNFTへの派生など今後も広がり続けることが予想されます。 - スマートコントラクトによる作業コストの削減
スマートコントラクトとはブロックチェーン上に書き込まれた契約自動執行のためのプログラムです。
これらの機能を有して、不動産、金融、保険、サプライチェーンなど様々な業種・業界への導入が期待されており、これまでアナログ管理されていた無駄な管理コストを削減されることが期待されています。
イーサリアムのデメリット
イーサリアムの主なデメリットは以下の通りです。
- ガス代の高騰
DeFiをはじめ、イーサリアム上で稼働するサービスを利用するにはETHの送金が必要になってきますが、現在のレートだと、ERC20系のトークンを送金するための手数料が1000円以上発生します。(2021年9月20日時点)仮想通貨を交換するだけで、4000円超えはかなり痛手になります!
- 発行上限の制限がない
イーサリアムはビットコインと違い発行枚数に上限がないため、価値の暴落も危惧されています。
当然、イーサリアムの今後のアップデートによってコインの発行は制限されてくる見込みですが、このまま希少性が失われてしまえば、価値の存続に関わります。 - スケーラビリティと電力消費問題
イーサリアムによる経済圏がこのまま広がっていき、様々な業界でユースケースが増加すれば、当選トランザクションの母数も比例して増えることになります。
また、現在はPoWのコンセンサスアルゴリズムを採用しているので、BTC同様トランザクション承認時に大量の電気を消費している状態です。
例えば、NFTが1回販売されるだけで、8.7MW(メガワット)という電力を消費している計算になります。これは、英国の一般的な家庭の年間消費電力の2倍に相当する電力なので、かなり無駄なエネルギーを消耗していることが分かります。
今後はより、地球の環境に配慮したエコシステムの構築が必要になるでしょう。
まとめ
イーサリアム財団は現在イーサリアム2.0のアップデートに向けて着々と準備を進めています。
目下のスケジュールは以下の通り。
来年中には全てのアップデートのスケジュールが完了される予定なので、年末から来年度に向けて価格が上がることが期待されます。
現在は下げ相場が続いていますが、今後のアップデートのスケジュールも参考にしながら価格にも注目していきたいところです。